【欅坂46】漢字欅2期生加入で選抜制は導入されるのか?全員選抜におけるサイレントマジョリティー【コラム】

2018年11月30日記事作成・公開。

2018年夏に開催された「坂道合同オーディション」の結果、11月29日に欅坂46へ2期生9人の加入が発表された。これで漢字欅のメンバーは1期生17+1人(原田葵が学業により活動休止中)、2期生9人の計26+1人となる。

欅坂46ファンの目下の関心事は「これまで全員選抜だった欅が選抜制になるのか?」ということだろう。欅坂46はこれまで1stから6thまで全員選抜・7thでは活動休止によりメンバーを欠いたもののそれ以外のメンバー全員が選抜された。センターこそ平手友梨奈に固定されたが、それ以外のポジションは流動的であり全メンバーがフロントを経験している。これは同時期に結成された同じ秋元康プロデュースのNGT48、姉妹グループ・乃木坂46と比較しても大きな違いだ。

「欅の選抜」がこれまでに話題に上がることは何回もあった。最たるものは、結成から1stシングルの選抜発表が行われるまでの、2015年末から2016年初頭のことだろう。最終オーディションを辞退した長濱ねるの途中加入と「欅坂46のアンダーグループとして」けやき坂46(ひらがなけやき)の募集が発表されたのだ。この時点では欅坂46がどんなシステムを採用してシングルを発表していくのか細かなことはわからなかった。20人で選抜を行うのは人数が少ないのではないかという意見もあった欅坂46に「アンダーグループ」の募集が発表されたことで、ファンの間には乃木坂46の選抜+アンダー、そして福神制を踏襲していくのだという噂が流れた。


(2015年9月17日に発売された、週刊プレイボーイ増刊号「乃木坂46×週刊プレイボーイ2015」にはBOOKinBOOKとして『欅坂46はじめまして名鑑』が収録。最後のページでは、週刊プレイボーイ編集部が会見の第一印象で選んだ「欅坂46十福神」が紹介された。)

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選抜発表前に公式サイトに掲載された写真(画像提供:ソニー・ミュージックレーベルズ)

そして2016年2月29日放送の『欅って、書けない?』にて、デビューシングルの選抜メンバーが発表された。選抜メンバーは、欅坂46(まだ「かんじけやきざか」だった)メンバー20人全員となり、唯一のひらがなけやきメンバーである長濱ねるは、デビューシングルの選抜に選ばれないことが判明した。

この全員選抜について、冠番組『欅って、書けない?』MCの土田晃之はラジオで以下のように語っていた。

リスナー「先日『欅って、書けない?』でデビュー選抜の発表があり、メンバー20人全員が選ばれましたね。選抜発表の回はいつもと雰囲気が違うのでメンバーの緊張が伝わりました。土田さんが言われてた「ほっとしています」にとても共感しました。メンバー20人とひらがなけやきの長濱ねるちゃんも共に頑張ってほしいです」

土田「ということで、まあこの番組を聞いてるリスナーの方たちはわからないと思いますけど、乃木坂46っていうのがそもそもいるんですよ。AKB、皆さんご存知あのAKBの公式ライバルっていうね、乃木坂ってお姉さんたちがいるんですけど、この妹分っていうのがこの欅坂っていう今一緒に番組やってるんですけど、で、このね乃木坂ってお姉さん方のシステムが、まぁ全部で30何人いる中で16人とかだね、その選抜メンバーを決めてその子たちだけがCDデビューというかそのCDを歌うときのメンバー、歌番組とかもそのメンバーだけで行くのよ。」

「残りの人たちはまずアンダーって呼ばれる子たちはそのアンダーライブをやっていたりして、テレビに出る確率やっぱりあるんですよ選抜っていうのに入ると。で、乃木坂ってそのお姉さんたちは30何人いたから16人の選抜となってもようは半分じゃない。半分はデビュー曲に参加できるけど半分は参加できないってなるけど、我々がやってるこの欅坂って子たち20人ぐらいしかいないんですよ。」

「で、スタッフにデビュー曲どうなのって聞いたら多分16人だと思うって言うから、いやそれはちょっと勘弁してよ番組一緒にやってて16人となったら結局5人、5・6人切られちゃうことになるんですよ、やっぱりそれさあもうグループ内でも仲悪くなっちゃうだろうし、その5・6人の外された子達のやっぱ気持ちになったらちょっとやっていけないわって話を散々してて、でこの間そのメンバー発表って言うんでまぁ実際行ったらまあデビュー曲は20人全員で行きますってなったから、うわぁよかったあーと思って」

「(引用者中略)この今の欅坂って21人とか20人とかいんのかな。そのアンダーっていうような、補欠じゃないんだけど2軍じゃないんだけど、まあその子たちを今募集してるのさ。そっちも今オーディション始まってるらしくて、スタッフに聞いたら、どうなんすかひらがなけやきはって、なかなかの粒ぞろいですと、ってなったんで、この子たちは何人入るかわかんないけど、何人か入ってくるとしましょう、そうするとたぶん今度セカンドシングルで、トータルでまあだから30人40人くらいなんのかねわかんないけど、その中からまあ10何人セカンドシングルってなるとかなり大変なことになると思うんでね、ちょっと頑張ってもらいたいですけどね、もう本当にね応援をお願いします」

土田晃之 日曜のへそ 2016年03月06日

MC土田とスタッフとの会話がどれだけ全員選抜に影響を与えたのか正確なところはわからないが、ともかく注目すべきは、当初は欅坂46も16人選抜制を考えていたということだ。だが結果として選抜は選択されず、デビューシングル「サイレントマジョリティー」は発売。その結果、オリコン週間CDシングルランキングで推定売上26万1580枚を記録し、週間1位を獲得した。これは女性アーティストにおけるデビューシングルの初週売上としては史上最高記録だった。その後2018年6月にはYouTubeの再生回数が1億回を突破した。

(「【期間限定公開】ご好評につきフルサイズでの公開を延長致します!」と説明文にはあるが現在に至るまで公開され続けている。)

セカンドシングル以降も、ファンの中から全員選抜に対する懐疑的な声が挙がることもあった。選抜制度を導入すればメンバー間に競争意識が生まれパフォーマンスやトークスキルの向上につながるというのである。この中には欅坂46の成長を促そうという意識だけではなく、「欅坂46のアンダーグループとして」募集されたけやき坂46(ひらがなけやき)との仕事量やメディア出演の差への配慮を求める気持ちがあったように思う。

しかし、ひらがなけやきが事実上別グループとして活動を始めるようになると、漢字欅メンバーは「自分たちも頑張らなければいけない」というコメントをインタビューやブログで頻繁に発信するようになる。そしてそれは漢字欅に先駆けて行われた「ひらがな全国ツアー2017」や「ひらがな武道館3days公演」の後にさらに顕著になった。全員選抜に欠けているとされる”競争意識”の部分は、妹グループの存在によって補完されていたのではないだろうか。

48グループを見ていると、メンバーのアピールのチャンスになる選抜制度や総選挙が同時に大きな負担になっている面もあることがわかる。「今までの活動で一番つらかったことは?」「今までの活動で一番悔しかったことは?」などという質問に対する、48グループのメンバーの回答で「選抜に選ばれなかったこと」「アンダーでの代打出演が続いたこと」を目にする機会は多い。全員選抜でそうした負担を避けながら、他のグループとの差別化がしっかりとなされていたことが、デビュー直後から急激に人気を獲得できたひとつの要因だとも言えるだろう。

そうした差別化を生んだ全員選抜の最大の欠点は競争意識の欠如ではなく、代替不可能なチーム作りだった。それは「21人の絆」という言葉に表れているように欅独自の魅力を高めたが、同時にメンバーが欠けたときのパフォーマンスの変化をも生じさせてしまった。それが視覚的に明らかになってしまったのが、欅坂46初の全国ツアーとなった「2017夏の全国ツアー 真っ白なものは汚したくなる」における「センター不在のサイレントマジョリティー」だった。デビューシングル表題曲にして代表曲でもあるこの曲。ほかのメンバーは2列になってポーズをとっているが、モーセの十戒の真ん中を歩く人がいない。このときの心情をメンバーの齋藤冬優花はブログに書き、大きな反響を呼んだ。

その後、武道館公演こそひらがなけやきに任せることになったものの、欅坂46はこのときの反省を生かし、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで3日間行われた「2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE」を志田・平手抜きで乗り切ることに成功した。

記憶に新しい「ベストヒット歌謡祭2018」ではアンダーではなくコラボという形で、欅坂46・けやき坂46両グループでの「アンビバレント」を披露。舞台「ザンビ」で小林・菅井・土生・守屋の4名を欠いたものの、ひらがなから4名を参加させパフォーマンスを行った。

欅坂46にとって、2018年はとにかく揃わない年だった。上半期は負傷と映画撮影により平手友梨奈が不在。5月には志田愛佳と原田葵が活動休止。年の後半には今泉佑唯と米谷奈々未と志田の3名が卒業発表。21人全員でのパフォーマンスは一度も見られなかった。

今後メンバーに外仕事が入って欅の仕事をこなせなくなるということもあるだろう。センター平手はまだ高校生で学業もある。怪我や体調不良でメンバーが複数人出演できないということもあるかもしれない。2期生加入後の新生・欅坂46には48グループや乃木坂46のように選抜制を導入するのではなく、「少なくともしばらくは」前述のコラボのような形で欅らしさを追い求め、名実ともにトップアイドルとなった乃木坂46の背中を追いかけてほしいと思う。

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